筋力トレーニングが趣味で、肉体美を競うコンテストにも出場しています。毎年コンテストに出場していて、コンテストの4ヶ月くらい前から減量を開始します。減量期間に入ると体の脂肪が減っていくので、筋力トレーニング中に怪我をしやすくなります。脂肪があるとクッションのような役割をしてくれて間接の負担が軽減するのですが、減量中は脂肪が減るのでクッションも無くなります。

去年の6月、減量真っ只中の時に重い重量のスクワットをした時に腰に激痛を感じて立ち上がれなくなりました。病院の整形外科に行き、腰の痛みについて相談しました。この時点では腰の痛みの原因が骨なのか、筋肉なのか私にはよく分からない状態です。先生に「筋力トレーニング中に怪我をした」ということを伝えると、「凄い体なので絶対にトレーニングをしていると思いました」と言われたことを覚えています。怪我をしているので精神的に余裕がなかったのですが、この言葉は印象に残っています。

 

上半身を脱いで、痛みを感じる動きを確かめながら、問診を行っていきます。「持病はないか」、「腰の他に違和感があるところはないか」を聞かれました。その後はレントゲンを取り、骨には異常があり、椎間板ヘルニアも発症していたので入院することになりました。

昔から病院が嫌いで、風邪をひいても我慢するような子供でした。30歳になって初めて入院したので、驚きの連続でした。まずは私を含めた6人の患者さんと同じく空間で過ごすということに驚きました。アパートやマンションのように壁はないですし、カーテンを開ければ他人がすぐ近くにいるという感覚が不思議でした。

最初のうちは誰とも話さず、自分の空間だけで過ごしていたのですが、次第に周りの方と話すようになり、色々なことを話しました。一番印象に残っているのは正面のベッドに入院している60代のおじさんです。週に1回おじさんの孫が会いに来ていて、孫から絵のプレゼントをもらったり、お菓子をもらっているところを見ていました。

「微笑ましいな」、「自分も祖父に会いたいな」と思いながら見ていたことを今でも覚えています。ある時そのおじさんが私のベッドの横に来て、「私は甘いものは控えているから、良かったら食べてね」と言ってお菓子をくれました。その時のおじさんの顔が優しさにあふれていて印象に残っています。

入院中に怖かったことは結構たくさんあります。忙しい時の看護師さんはとても怖いなと思いました。毎日激務をこなしているので仕方がないと思いますが、たまに言い方がきつい時があるので見ていて怖いです。

ベテラン看護師さんが若い看護師さんに指示を出す時際などは、こちらの方がヒヤヒヤしたほどです。点滴の時になかなか血管が見つけられなかったのか、何度も刺し違えていて時間がかかっていました。するとそれに気づいたベテラン看護師さんが「まだやってるの?できないなら言って」と言いに来たので「大丈夫ですよ」となぜか私が言い訳してしまいました。

困ったことは同部屋の方の寝言やいびきです。突然「うあー」という声が聞こえたり、一晩中いびきが聞こえるときもあるので困りました。注意したかったですが、トラブルになっても嫌なのでイヤホンをして音楽を聞いて気分をごまかしていました。

入院して1週間くらいは自分で歩くことが出来なかったので、車椅子で移動することが多かったのですが、操作に慣れるまで苦労しました。産まれて初めて車椅子に乗ったのですが、ちょっとした段差や坂道を恐怖に感じたのは初めてです。街で車椅子の方を見かけたら、何か手伝ってあげたいという気持ちになりました。感動したエピソードは私のことを心配してくれる家族、友人がたくさんいることに気がついたことです。LINEを見たら100件近く心配の声が届いていたので嬉しかったです。